笑って泣いて恋をして。
世の中下克上!
呼び出し
あれからなんとなく気まずくなった立花をホノリに呼び出してもらった。
教室で一人酷くなってきた雨を誰かの席に座ってみていた。
ガラ―…
教室の後ろ側のドアが開いた。
気配を背中で受け止めた。
「上村、俺に用があるんだよな?」
「…うん」
「なに?俺、人待たせてるんだよね」
「ごめん。言うね」
重たくなった腰をあげて立花を面と向かう形になる。
「すぅ」
「はぁ」
深呼吸を軽くしてからあたしより身長が高い立花を見上げるように目を合わせる。
「立花…。実槻、あたし
好きになっちゃった」
「へ…?」
「好きです、実槻。返事は要らないよ。分かってるから」
半ば放心状態の立花を置いてあたしはまとめておいた荷物を掴んで教室をでた。
上靴から靴に履き替えていると走って来た足音が聞こえた。
なんか見たいテレビでもあったのかなぁ…。
そんなことを考えながら靴をちゃんとはくためにかがんだらグラリと足を傾かせてしまった。
どうしよっ…!!
後ろには硬いロッカーしかないし、前には石の床。
受身の態勢が整えないとこのまま…―。