薔薇水晶
嗚呼
「今日、転校生来るってさ!」

「あっそ。」

「何だよその反応。

 知ってたのか?」

「知らねぇ。」

             知ってる。

 ガララッ

「全員居るな~。
 今日は転校生を紹介すんぞ!」

ざわつく教室。

 カツ…カツ…カツ…

そして、沈黙が降りる。

 
「雫町から来たそうだ。
 仲良くしろよ~。特に男子。」

             だってソイツは

「紫姫 水晶。
 よろしく頼むよ。」

「えっと…席は…。」
              いわゆる 俺の

「あそこの席は空いているのかい?」              
             
              彼女 ってやつで

「あぁ、んじゃぁ鬼神の横で。」

              御主人様 ってやつだから。
 カツ…カツ…カツン。             
           
「よろしく。」
                                        ソイツはゴシック・ロリータ風に改造された制服に身を包み
人目を集める美しさで微笑む。


              あぁ。

              嗚呼。

「羅潤。」

 ザワッ…

              他人になりたい。








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