そこに咲くかたち。
第四章
距離
3月中旬…。
外の風はまだまだ冷たい。
『3月』って春のようなイメージがある。
でも、寒いね。
まだまだ…寒い。
「おはよぅございまーす…。」
あたしはいつもより少し遅れて出勤した。
時間は7時…。
もう外は真っ暗だ。
いつも遅くても4時には出勤していたから、軽く3時間は遅刻。
連絡はしていない。
仕事をする気分ではなかった。
休みたかったけど、うちの店はいつも人数ギリギリだった。
当欠なんてしたらきっと嫌味をいわれる。それがなんとなく今のあたしはつらくて…仕方なく、家を出た。
店に入ったあたしはゆいちゃんの姿を見つけた。
「ゆいちゃん!おはよ。店長は?」
「あ、みさきさーん!はよーございます!それがですねぇ……。」
「?」