そこに咲くかたち。

「気になる人…？」

「はい。たぶん正直言うとどっちも好きだったんですよね。でも、あたしはカレシを選んで付き合いはじめました。………やっぱりずっと不安は消えませんでしたけどね。」

「不安？」

「また、『重い』って言われるんじゃないかって……、実は未だに不安なんですよね。」

泣きそうな顔をしたゆいちゃんは、きっとあたしが思うより、ずっと…今のカレシが好きなんだろうな…。　

「あたし、カレシとつきあっても、まだもう１人の人とも会ってたんです。…そしたらね、我慢できたんですよ。カレシに毎日会えなくも、毎日電話できなくても……。しつこく疑ったり、淋しくてつらくならなかったんです。」

「………」

言葉がでなかった。　
なんて言ったらいいかわからない。　

カレシからしたらゆいちゃんのしてる事は最悪な事だと思うはず。　

でもゆいちゃんにしたらカレシの他にも『男』の存在がないと、『カレシに振られるかもしれない』という不安に押し潰されそうになるって事なんだ…。　



カレシと別れたくないから他の人とも付き合う……？　

「最低なことなのかもしれないけど……、あたしはカレシと絶対に別れたくないんです……。」


ゆいちゃんの気持ちは、これで本当にいいのかな？





あたしは……　



あたしだったら……？



あたしも……


ももちゃんじゃない他の人に……　

満たしてもらえてうまくいくなら……



広い心でももちゃんとからの連絡を待てるなら……





あたしも……



少しだけゆいちゃんの気持ちわかるよ。　





好きすぎて……



何かが壊れるのかな…。