そこに咲くかたち。
その日はカラオケに行ってAM1:00頃まで遊んだ。 



なおくんをアパートの前まで送った。

あたしは車を走らせる。
ふと、ルームミラーで後ろを見ると、なおくんが力一杯両手で手を振っていた。

笑顔だった。

あたしはハザードをたいてみた。3回。『ま・た・ね』そんな意味で。

伝わったかどうか分からないけど、なおくんは大きく手を振り続けている。


「バーカ」


聞こえないのがわかっていて、あたしは呟いた。自分の顔が笑っているのも気付いてた。




今日はワリカンでいいや。 
そう思ってたけどなおくんはおごってくれた。 




「年下にはおごってもらえないよ〜。」 
あたしが言った。
「女の子におごってもらうのはヤダ!カッコ悪い!!……ホントはお金ないけど…。」
「なんかカッコ付けがハンパだよ〜。」
「えー?なんか変?」




あたしは素直に楽しめた。あれだけ、エッチしたいとか変なこと言ってたくせに、個室に入っても一切触れてくる事もなかった。


素直に楽しめた時間が、逆に今度は心に引っ掛かる。



『なおくんには彼女がいる。』



それを忘れないようにしなきゃ…。 




信号が赤になり、あたしはケータイをポケットから取り出した。


メールが1件。 


なおくん? 

さっき別れたばっかなのに? 


長いメールだった。
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