そこに咲くかたち。

『‘n-to-u’の事?
'上野尚也'のnとuなんだけど』




前にメールで言ってた事…。 


あたしは信じてなかった。 


彼女のイニシャルだって分かってた。 



分かってる……つもりで…


でも…



最近、 
あんまりずっと…
なおくんの傍にいたから… 


きっとあたし 


心のどこかで信じちゃってたんだ。 


『なおくんに彼女はいない』 
って……。 



うそはついてない…、 

そんな気になってた。 



でもやっぱり違う。 


なおくんにはきっとやっぱり彼女が……




苦しい。 



考えたくない。 




なんで…? 

彼女がいてもいいんでしょ? 
関係ないよね? 
楽しく過ごせれば満足だって……



そう思ってたはずだったのに……。



あたし……

「愛希ちゃん?どうしたの?」

「……うんん。別に。」

「オレね、今日愛希ちゃんにプレゼントあるんだ!」
そういってなおくんはにっこり笑う。 


ああ、その笑顔……


「え〜…、なになに?」
 
「ナイショ♪あとでね♪」

その笑顔が……








あたしは好きだよ…。


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