そこに咲くかたち。
ガチャッ 

「あ………、店長…。」

「お。みさきちゃんおはよう!」

急に扉が開いて、店長が入ってきた。
あたしとゆいちゃんは会話を止める。 

店長の後ろに女の子が見えた。 

「あ、今入店決まったコ。えーと、カノンちゃん。いろいろ教えてやってな。」
店長がそのコの背中を押しながら、あたしたちにそう紹介した。 

彼女…、カノンちゃんが頭を下げる。

「よろしくお願いします。カノンです。」  

緊張してるのか、そういう性格なのか……カノンちゃんはほとんど表情なく、あいさつをした。

「よろしくです〜♪ゆいです!」

ゆいちゃんが笑いながら先に言った。あたしも続く。 

「あ、みさきです。よろしくね。」 




あたしは頭がいっぱいで、あまり話せなかったけど、ゆいちゃんと店長がいろいろ教えてあげていた。 


カノンちゃん…、かなりカワイイ。 
身長は165以上はありそう。痩せてて、いわゆるモデル体型。フワフワに巻いたロングヘアーが動くたびに細い肩にかかって、可愛らしさを増していた。 


こんなに可愛くてスタイルよければ…… 
悩み事もないんだろうな…


そんなくだらないことを、あたしは考えていた。





カノンちゃん、 


なんとなく、気になる。 







その日は2人のお客さんについて、10時過ぎに店を出た。 



ゆいちゃんとの話が半端なままで、不安が膨らむ。
もう少し、聞いてほしかった。


でも、約束をすっぽかすワケにはいかないから……


あたしはなおくんにメールを送った。

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