そこに咲くかたち。

ひとつの終極

そのまま…、帰ろうと思った。　


今はとりあえず帰るんだ。　

どんなに冷静になろうとしも、きっと今は無理。なりきれない。　


だから、今は……



なおくんに連絡するべきじゃない。　

って…、わかってるんだけど……。　





あたしはバックの中からケータイを探して開いた。

着信もメールも今はない。
　
あたしは考えた。
今の状態は、きっと二つに一つ…。
一つは…



あたしの勘違い♪
気のせい！　
なおくんかと思ったけど、実は全然違う人だった！！　



「…………逃避かよ…。」



なおくんに間違いなかったよね……。　

でも、なんにも連絡ないんだもん！　
店に乗り込んでくる……、とまではいかなくても、メールくらいするんじゃないの？






もしくは　

あたしみたいに……
あたし以上に……
ショックを受けて、精神崩壊状態……とか……？　



「まさかね…ぇ……あはは………」　



男の人は　
“彼女”が風俗嬢だった。って、いきなり知らされたら……　
どんな気持ちになるのかな……。　

どのくらい……
ショックを受けるのかな……　







あたしの想像以上……？　











ねぇなおくん。　

あたしがなおくんに与えた衝撃は、確かに大きかったよね……。　

本当に申し訳ないと思ってます。　
今でも…。




でもね…、　
あたしが知ったなおくんの真実だって、
あたしは本当に本当に…、ショックだったんだよ…？





計れないから……　


おあいこには　
なれないよね………。