そこに咲くかたち。
なおくんのメールは一言だけだった。


『オレ、今日見たんだよ。』


「……………」



そうだよね。 

やっぱり……なおくんだったんだよね…。 


不思議と、不安でドキドキしてた胸は、静かになっていく気がした。

バレてるのは分かってるのに… 
それでもあたしはとぼけた。 


『何を?』 




なんて返ってくるかはわかってる。 
でもまだ………。 







『とぼける必要ないよ。目、合ったでしょ。 




ごめん。 




オレには無理。





風俗は、無理。      』








受け入れてほしかったワケじゃない。 


なおくんは切らなきゃいけなかったの。 


結果的には望んでた事になったんだ。 


あたしから別れ話はしづらかったから……

これでよかったんだって、納得できる……のに………




どうしてあたしは泣いてるの…? 







悔しい。 




なんで……? 




風俗くらいなんだよ! 




男なら 
『そんなの今すぐやめろ!』って、
あたしの事叱ってよ!
納得させてよ!! 





「…………なんて勝手なんだ……、あたし……。」





不満なあたしの 

妄想が膨らんでいくのを感じた。



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