そこに咲くかたち。
部屋に入ってあたしは座らずに話し始めた。 

たぶん、なおくんからは言わないから、あたしから聞く。 


「………彼女、優しそうなコだね。」

なおくんは驚いた顔はしなかった。 
やっぱり昨日あたしが彼女にメールしたこと、知ってるんだと、納得した。 

「うん。…気が強いけどね。」 

「よく、あたしに隠したじゃん。」

あたしは笑いながら言った。
「…何言ってんの?だいぶ前から分かってたくせに…。結構確信もってたでしょ?」

「………まぁ…ね。」

「でも、聞けなかったのも知ってるよ。………自分も同じようなことしてるから?」

「え?」

何? 

え………ちょ…ちょっと待って、なおくん…もしかして…… 

「知って……」

「知ってるよ。愛希ちゃんもカレシいること。」

!!!!! 
う…そでしょ!? 

なんで……。 


「海に、行った日、電話きたのカレシなんでしょ?」

「何で知ってるの!?」

あ……
バカ…… 

「あはは。 
ごめんね、見たんだよオレ。」

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