そこに咲くかたち。
「どうしようみさきちゃん♪」

声が困ってないし。


あたしの姿に気付くと、テンションの高いカノンちゃんがいつもよりさらに高いトーンであたしに抱きついてきた。 


そのテンションで、 
その♪マークで、 
何がどう困ってると!? 

あたしは一応聞く。 
…多分聞かなくても、話すんだろうけど……。  


「おはようカノンちゃん。どしたの?」

「カレシに『大事な話がある。』って言われたのッッ♪♪」


「……へぇ…。」 

「ちゃんと聞いてるのぉ!?」

「あぁ、ごめんごめんッ!聞いてるよ?で?何だったの?話。」

「……まだ聞いてないんですけど……。」

カノンちゃんは「えへッ」と笑った。 


オイオイ。 
何で『話がある』がそんなにうれしいんだ。 


あたしはこたつに座りならタバコを出した。 
カノンちゃんはあたしのすぐ横に座って、高いままのテンションで話し続けた。

「プロポーズかもしれない!」

「ブッ。」

あたしはくわえて火を付けようとしたタバコを思わず吹き出した。 


『話がある』=『プロポーズ』


なんて短絡的でプラス思考…。 
ある意味すごいな……。



「ってのは、まぁ…妄想で……、でも!一緒に住むとか……まあ、そんな話かなって♪」


ああ、妄想なのね。 
ビックリしたよ。

< 257 / 384 >

この作品をシェア

pagetop