そこに咲くかたち。
「愛希さ…、もう『ももちゃん』ってのやめない?」
「へ?…あッ!きゃあッ!!」

あたしはももちゃんの言葉に驚いた、拍子に持っていた缶ビールを落としてしまった。 

「何やってんだよ〜!タオル取ってくる。」 

「ごめん〜……。」 



それは二人きりの時間。

まったりした、しあわせな時間…。


に、唐突なももちゃんの言葉であたしは過剰に反応して………バシャッと……こぼした…。 

別に驚くようなことを言ったわけじゃないと言えば…そうなんだけど……。 

手が滑った。 

ももちゃんは持ってきたタオルで丁寧に拭いていた。カーペットの流れに沿って丁寧に。 

意外と几帳面な所があるな…、と思った。 

「俺、そんなに驚くようなことを言った?」
「ごめん……。」


そんな失敗にあたしは落ち込んだ。 

キレイなカーペットだったのに……。

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