そこに咲くかたち。
「カレシ着いてるって!行くねぇ!どうもありがとぉ。」 

そう言ってカノンちゃんは車を降りて、あたし達の後方に歩いて行った。 

「行く?」

あたしは前を指差しながら、ゆいちゃんに言った。 
「えっ?カノンさんのカレシ見ないんですか?」

当然のような発言…。 
あたしは、どうでもいいんだけど……、まぁ、気になると言えば、気になるかな。だって…… 

「イケメンって言ってましたよね♪♪♪」

うん。言ってたね。 

「ゆいちゃん、イケメン好きだからね。……あたしも、気になるかも♪」 

たぶん、カノンちゃんの事だから、隣に車を着けてくると思った。 

サイドミラーでカノンちゃんの姿を追っていたゆいちゃんが「あっ!」と声を出した。 


「来ますよ、来ますよ♪」
「スモークカーでラッキー♪」

ゆいちゃんは窓を開けていたけど、あたしは窓越しに見た。 


斜め後方に車が見える。 

「………あれ…………?」
ドクンッ




あたしの心臓が強く鳴った。


ドクン  ドクン  



更に強く……早くなる心臓。 






見覚えのある車。 







あたしは瞬きせずに、暗くて見づらい窓の外をジッと見た。 
見続けた。 







ドクン








ドクン 








ドクンッ







「ゆいちゃぁ〜ん♪みさきちゃ〜ん♪ 」 









となりに付いた車の中に 








あたしが見たのは 


















「カレシのももちゃん♪」






「ほら、もう行くぞ……」















え…
な……
何…を……見てる…ん……















ももちゃん………?
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