そこに咲くかたち。
自分の目で見たものが 





自分で理解できないなんて 




そんなことがありえるのだろうか……。





脳が見せた映像を 
心が拒否する。 





理解はできない。 

でもあたしが見たのは、 


ももちゃんの姿。 

あたしが聞いたのは、 



ももちゃんの声。 





それは……

カノンちゃんの隣にいる人だった。 





な……何?









ちょっと待って……




えっと…
えっと……



あたしはどう……したら…



あたしは……






「お、追い掛けて…」

あたしは呟くように言う。
「え?なに?みさきさん?」

よく聞こえなかったのか、タバコに手を出しながら、ゆいちゃんが聞き返す。

あたしは前を見て再び…、今度は強く言う。 



「カノンちゃんの車追って!お願いゆいちゃん!!」

「えぇ?」



追い掛けなきゃ… 





理解しなきゃ、 
今見えたものを...。

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