そこに咲くかたち。
「みさきさん電話は!?」
「へっ?」
「電話!ももちゃんに!」
「あ…あぁ!!」

あたしはケータイをバックから取り出してももちゃんに電話を掛けた。 

「pu ru...
pu ru ru ru ru...
pu ru ru ru ru...
pu ru ru ...
留守番電話サービス……」
ピッ 

3回掛けた。 
でも、ももちゃんは電話に出なかった。 

「でない…。 」
「って事はやっぱり……浮気……」

あたしはそう言い掛けたゆいちゃんをジロッと見た。
「わーッッ!ごっこめんなさいッッ!嘘です嘘ですッッ!!」 

浮気……? 
浮気っていうの?これって…。
カノンちゃん、カレシとは随分長いって言ってた…よね……?


これじゃあまるで……

「あたしが浮気相手?」
「アハハッ」
「笑えない!!違うでしょゆいちゃん!」

ゆいちゃんはタバコをくわえて火を付けた。 

「みさきさんの見間違いじゃないですか?」
「え?」
「ももちゃんって、そういう人じゃないと思ってましたから。まぁ、あたしはももちゃん本人に会ったことないんで…何とも言えない気もするんですけど…。みさきさんから聞いたカンジだと……浮気とか…、みさきさん裏切ったりしなそうと思ってたんですよね。」
裏切り…? 

見間違い…? 


見間違い……なの? 

っていうか、見間違うの…? 

あたしがももちゃんを…

でも…
でも、ももちゃん今日は……

「よっちゃんに電話してみる!」

「よっちゃん?」

「ももちゃん、今日よっちゃんと遊ぶって言ってた。」 

あたしはよっちゃんに電話を掛けた。 


どうか…
よっちゃんと一緒にいますように…。


< 278 / 384 >

この作品をシェア

pagetop