そこに咲くかたち。
「出ないッッ!!」

よっちゃんも電話には出なかった。 

「使えない〜ッッ!ッッも〜〜ッ!!」 

あたしは電話を投げた。 

出ないよなぁ… 
やっぱり…… 
この前あんな風に別れたし…失礼な事いっぱい言っちゃったしなぁ…。


「カノンさんに電話してみます?」
「番号知んないもん。」
「あ、そっか。」


あたしたちは路肩に車を停車させたまま、途方に暮れた。 





あたしは少しずつ冷静さを取り戻しながら、思い出していた。 

よっちゃんが言った事。
カノンちゃんが話してた事。 





『ももちゃんに何人女いるのか知ってんの?』







『カレシ…、あたしの他にも女いっぱいいるんです…。』 







ねぇ…… 

ももちゃん 




今どこにいるの……? 








あたしは『見間違い』な事を、 
祈るしかできない……。 






でも、見間違う事なんて




ありえない。



< 279 / 384 >

この作品をシェア

pagetop