そこに咲くかたち。
「カノンちゃん…。」
「あっ、みさきちゃん!おはよう!お疲れさま♪」

カノンちゃんはいつもと何も変わらない、笑顔…。ニコニコ笑いかけるその笑顔に、あたしは言葉がつまった。
聞きたかったハズの言葉が出てこない。喉まで出てきている一言が、なぜつまるのか……、自分で理解出来なかった。

「どぅしたのぉ?元気ないぃ?」

あたしの顔を覗き込むように見た。 

何度もつまった言葉の断片が、ようやく少しだけ出始める。 

「カノンちゃん…昨日…」
「あ、ほらみさきちゃん。座りなよ!」 

あたしが出かけた言葉を遮るように、カノンちゃんはコタツに座って、あたしを手招きした。 

「……あ、うん。」

あたしは座った。 
目の前にあった自分のシガーレットケースを開けてタバコを1本出す。深呼吸しながらタバコに火をつけた。 

「昨日がなに?」

カノンちゃんの方から聞いてきた。あたしはまだ2、3口しか吸ってない、タバコを灰皿に擦り付けて消した。
そして1呼吸置く。
カノンちゃんの顔を見て、あたしは言った。

「カノンちゃん、ゆうべの……」












この世界は… 




すべての人が幸せになれる方法なんて
存在しないんだよ………






ねぇ 

どうして………?。


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