そこに咲くかたち。
「ゆうべ?」 

「何?」って顔で聞くカノンちゃんに、あたしはゆっくり、また聞き返した

「ゆうべの……その……車運転してた… 」
「ああ!!ウチのカレシ?見た?見た?かぁ〜こいいでしょ♪♪えへッ♪」

カレシ…。 

「ねえ、その人名前……」
「あっ、写メ見る??」
「写メ……?」

あたしが何も答える前に、カノンちゃんはケータイを出した。開いて、見せる写メを探している。 


写メ… 
写真……。 

あたしは言う。

「…見る。」 
「ちょっと待ってね、……あ、ラブラブなやつ見せちゃおっかな♪キャハッ♪♪」 

心臓が半端なくドキドキしてきた。周りに聞こえそうなほど、強く脈打つ心臓にあたしは息苦しさを重ねていく。

「ほらコレ♪」

見ればハッキリする。

「カッコいいでしょ?」

見れば… 



カノンちゃんが差し出したケータイを受け取った。 
怖くて…… 
直視できなくて…… 

目線を反らしたまま、あたしはケータイを目の前にもってくる。 


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