そこに咲くかたち。
「どういう事……?」


あたしは車を路肩に停車させた。
カノンちゃんは俯きながら話し続けた。


「あたし…『ピンキー』を潰すために、入店したの。」

「……つ…潰すって……。」 


あたしはまだカノンちゃんの行ってる意味が分からなかった。  


「雇われてるの、私。お金もらって、店ではずっと本番やって…口コミとネットでうわさを広めて…。警察に密告した。それで……」 

「ちょ……ちょっと待ってッ!!何でそんなことしてるのッ!?」


あたしはカノンちゃんの方を向いて詰め寄った。 


理解できない。 
いくら貰ってるのか知らないけど、 
なんでこんな…… 


「お金が……必要だったの…。でも、それだけじゃなくて…………、カレシに頼まれてたから……断れなくて……。」

「カレシ…に……?」 

って………… 

「ももちゃ…」 

あたしはあわてて自分の口を塞いだ。 

ももちゃんが……… 
カノンちゃんにそんなことさせてるの……? 



ももちゃんが………? 





「あ、そうじゃなくて…。」

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