そこに咲くかたち。
「なに?」 
「………………送ってほしいんだ……。」 
「あ、そうだね。いいよ。」

あたしはミラーで後方を確認して車を走らせた。 


週末でも、さすがにこの時間はほとんど車は通っていない。駅からも大分離れた場所だからか、周りはとても静かだった。

「場所は?道……。」 
「あ、うん、こっちでいいの。この道あと……、10分かからない位だと思う。」

あたしはドキッとした。
………嫌な予感が、した。

「送るの……家………?」



まさか……… 




「あ、うんん、家じゃなくて…」





もしかして…………








「カレシのアパート。」 





「え………。」 





ど………
どうしよう………。





「カレシに電話しとくね。」 




どうしよう………。 
マズイんじゃないの……?

< 307 / 384 >

この作品をシェア

pagetop