そこに咲くかたち。
ガチャガチャッ 

バタンッ 


鍵を開ける音。 
ドアの音。 


あ…… 
来たのか………。 


「愛希………愛希!?
おま……何本飲んだんだよ!?」 

「おかえり……。」 

部屋に入ると同時に、ももちゃんはあたしの周りに落ちていた、大量の空き缶に驚いて、あたしの傍に駆け寄った。 

「愛希?」 
「全部飲まなくちゃ…。」
「え?」 
「もったいないじゃん。もう……最後だから…。」


そう……
『最後』……
最後なんだよ………?


あたしは冷蔵庫に入っていた6本のビールを全部飲んで、更に買い置きの箱を空けていた。


全部飲んでしまいたかった。 

酔いたかったし、消したかった。  




「愛希!話を……」 
「聞くよ。でも……、大体知ってるから…、聞く事あるかな?」

自分でも分かる。
あたしは酔っていた。 
だから…、いやな言い方が平気でできた。 

ももちゃんの顔は曇ったままだった。 

あたしはももちゃんの顔をジッと見ながら言う。 

「ねぇ…、あたしは何番目?」
「え……?」 
「付き合ってるコ何人いるの?」
「…愛希…?」 
「女に貢がせて…、何がそんなにほしかったの?」
「愛希!」 
「よく、そんなに体もつね〜。」
「愛希ッ!!やめ…… 」
「うそつき!!」 

あたしはももちゃんに詰め寄って言い放った。

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