そこに咲くかたち。
吐いた。 

気持ち悪い… 
頭がクラクラする… 
怒鳴ったり、泣いたりしたから…… 
頭もガンガンするよ…… 

吐くとこなんて絶対見られたくなかったあたしは、トイレに立てこもった。 


「愛希?大丈夫かよ!?開けなよ!愛希ッ!?」

ももちゃんはトイレのドアを何度も強く叩いていた。
「……やだ…。」 

「ヤダとかじゃねぇだろ!具合悪いんだから!開けろって!!」 

「見られたくないんだってばッ!!分かってよ!落ち着いたら出てくから、向こうで待っててッ!!」 

イラッとして、あたしはまた大きな声を出した。…そのせいで、更に頭痛は増した。 



気持ち悪い… 
気持ち悪い… 
最悪…… 


お酒を吐きながら… 
この胸のつかえも…全部吐けたらいいのに…… 










「愛希…。」 

ドア越しにももちゃんは話し掛けてきた。…さっきとは違う口調だった。 

「………なに…?」 

あたしは込み上げてくる吐き気を押さえながら、返事をした。


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