そこに咲くかたち。
「あたしだって…、出来るなら別れたくないよ。」 
「でしょ?だったらアキちゃん…」 

「でも!!」

二人の顔をジッと見た。
強く見る。 
睨むような顔になっていたかもしれない。 

ゆいちゃんもよっちゃんも、あたしの大きめだった声に、少し戸惑っているように見えた。 

あたしは話し続ける。 

「あたしだって、引き下がりたくなんてなかったよ!でもしょうがなくない!?妊娠だよ!?赤ちゃんだよ!?」 

ムキになって言った。 
ゆいちゃんは俯いた。 
よっちゃんがグラスに口を付けてから、真剣な顔で言う。 

「堕ろせば…いいと思うけど。」

!?

「サ…サイテーッッ!!」

あたしとゆいちゃんは自然と声が揃った。

当然だよね。

同じ女として、今のよっちゃんの意見は酷すぎると思った。

でも、そんなあたしたちの意見を聞いているのか、いないのか…、よっちゃんは話し続けた。

「最低とか言うけど、だって子供って、望まれて生まれてこそ幸せなんじゃないの?産まれてから『愛せない』じゃ済まないんだよ?半端な気持ちで結婚するとか子供産むくらいなら、今のうちに堕胎するべきじゃない?」

間違ってはいない…、そう思った。



でも…



「産まれる前なら殺してもいいんだ?」

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