そこに咲くかたち。
あたしはバックからタバコを出した。火をつけながら、ゆいちゃんの方を見る。

「あたしね……
付き合おうかと思ってる人いるんだ。」

「え〜?あ、この前コクられた、仕事先の人ですか?」

「うん…まぁ…。」

「いいじゃないですか♪今度紹介してくださいね!」


ゆいちゃんは喜んでくれていた。ニコニコしていて…ホントに嬉しそう。


『付き合おうかと思ってる人』


そのひとは…
優しい人。
仕事に一生懸命な人。
たまに失敗したときの仕草が素敵だった。

あたしを好きだと言ってくれた。




ねぇ…



進む道が用意されてるのに…、


どうしてあたしは



なかなかそっちへ歩きださないのかな?








立ち止まってるあたしなんて…… 
もういないハズなのに…。


< 369 / 384 >

この作品をシェア

pagetop