そこに咲くかたち。
手で温度を確認しながら、あたしはシャワーを出し始めた。 


「温度大丈夫ですか?」


そう言いながら、客の体にシャワーをあてる。 


手でボディソープを泡立てて、首元から洗っていった。 


首、腕、胸とお腹、背中…… 


あたしの手は…… 



そこ にたどり着く。 


声を出す客もいる。 


あたしは丁寧に洗い、流してから消毒液をしっかり付ける。 




客の体を流し終わり、タオルで拭く。 


「先にお部屋に戻っててもらえますか?」


客を部屋に戻し、あたしは急いで自分を洗う。 

この時、あたしは必ず一度ため息をついていた。 

これからする事に、毎回毎回、覚悟を決める。




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