そこに咲くかたち。

昨日の夜、 

ももちゃんと会った。 



仕事を早めに切り上げた11時過ぎ。 





「おつかれ♪愛希ちゃん。」

「…うん。おつかれだ。そっちも?」

「同じく。残業ばっかり。人使い荒いよ。」

「大変なんだね。」

「うん。でも収入は愛希ちゃんにかなわないかもね。」

笑い合った。


あたしはももちゃんの車の助手席に乗った。




ちょっと…、緊張する。

ドキドキドライブ。 





でも、 

するのはたわいもない、普通の話。

ももちゃんはこの間のことに触れてこなかった。


『あたしの事のどう思ってるの?』 


聞けずに…
聞きたいけど、聞けない。
何度も胸にしまう。




運転席はベンチシート。 


なんかとても近い気がする。

話の中で時々沈黙がある。
あたしはそっとももちゃんを見た。


手が触れる。 


ドキドキする。 


胸が熱い。苦しい。 


ももちゃんは何も言わず、あたしの手を握っている。






『ねぇ…、あたしの事どぅ思ってるの……?』


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