そこに咲くかたち。
「も……ももちゃんち…?」


行きたい! 

行ってみたい!!




……でも…………。 


「か…家族にご迷惑じゃないかなッ。こんな時間に…。」


『家族に…』なんて言ったけど、あたしが考えてるのはそんな事じゃなかった。

『男の人の家に深夜ひとりで行く』こと。


「あれ?言ってないっけ?オレ独り暮らし。だから迷惑はかかんないよ。」


「…独り暮らし……?」



行きたい……けど…。

いいのかな…?




独り暮らしのアパートに行くって事は……


その…… 


「警戒してるの?」 

ドキッ 

「あ…いや、そういうわけじゃないけどッ。」


どうしよう。 


「なにもしないよ。ヘンな事考えてんなよ、バ〜カ。エ〜ロ。」 

「なっ、考えてないもん!」

考えてました…。 

考えるよ。

……考えすぎなの?あたし……。

だって……。

「イヤならいいよ。」


ももちゃんは優しく笑って言ってくれた。 



やっぱり行きたい!


大丈夫だよね! 


もし例えなんかあっても…。ももちゃんなら…。


「行く!」

「よし!じゃあ買い出ししてから行くか!」

「うん!ビールね!」





あたしはももちゃんが好きだから…。






不思議なくらい 
『居酒屋で飲んで代行使う』って案が浮かばなかった。 



でも、もしもそうしてたなら…… 




また違う未来になってたのかな…。



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