キミの歌、アタシの物語。
「・・・車なんて

いないじゃない」

私はキミの胸に顔をうずめる。

キミは

「うるさい」

と言って

抱きしめる力を強くした。

道の端っこで抱きあうなんて

予想外だったけど・・・

白馬のおうじさまより

もっともっと理想的で。

いちごの乗った

ショートケーキより

こだわりたまごの

とろけるプリンより

ずっとずっと甘い。



「帰ろうか」

キミは私を離して歩き出す。

私はキミを呼ぶ。

キミは今まで以上に

優しげな顔で

こちらを振り向く。

「三か条、わかったなら・・・」

キミは少し微笑んで

私の手を握った。



キミの前で

こんなこと言ってるの

何でだかわかる?



それはね

キミの世界を

私のものにしたいから。







~fin~
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