キミの歌、アタシの物語。
この病院にくるとね

いつも

君のこと思い出すんだ。

コンサートのために

いっぱい練習したよね。

歌のアレンジも

すごく大変だったし。

そんな中で君は

病気と闘ってたんだね。



えらいよ、夏樹。

すごく偉い。



君は

たくさんの感動を残して

逝っちゃったね。



たくさんの想いを

心の中で巡らせながら



私は美紅に目を向ける。

美紅は小さく頷く。

美紅はゆっくり鍵盤を弾く。

そして私は

静かに目を閉じて

ゆっくり歌い出した。



君が残してくれた

あの歌を。
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