キミの歌、アタシの物語。
駅を出て

冷たい冬の風を受けながら

通りを歩く。

ふと立ち止まって

吐いた息で両手をこすった。

辺りを見回すと

たくさんのイルミネーションが

キラキラ光っている。

いつもはぽつんと

そこに立っているだけの

普通の街路樹さえも

綺麗に彩られている。



クリスマスというイベントに

私は一人。

ホントはこのイルミネーションも

君と二人で見たかった。



私は自分の気持ちを

君に言うことができなかった。

君がいなくなることも

こうやって友達で終わることも

前から決めていたことだから。

自分の気持ちを抑えつけた。



もう

君を振り向かないから。



片想いは楽しかったし

辛かった。

女の子と仲良く喋る

君を見るだけで

彼女が出来たと自慢する

君を見るだけで

悲しくて

悔しくて

心が壊れてしまいそうだった。
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