キミの歌、アタシの物語。
「俺やっぱ

お前が好きだ」



声が近くで

聞こえたと思ったら

いきなり

後ろから抱きしめられた。

力が強いから

振り向くこともできない。

でもこの温もり

私はずっと忘れられなかった。

逢いたくて逢いたくて

仕方がなかった人。



「なんっ、で・・・」

涙がボロボロ零れてくる。

君はそんな私の腕をひき

今度は正面から抱きしめた。

私も君の背中に

そっと腕を回した。

「ちょっとだけ

帰ってきた。

お前に

伝えたいことあったから。

でも

すぐ帰らなきゃ」

君の声も

少しだけ震えてた。

「・・・遠距離は

無理だって言ったけど

やっぱり俺

離れられない。

だから

俺が帰ってくるまで

ここで待ってて?」

すぐには頷けなかった。



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