キミの歌、アタシの物語。
次の日

学校にきてみたら

あの子が言ってた子が

いじめを受けて泣いていた。

あの子は笑いながら

あたしにほうきを差し出す。

「ほらぁ

アンタもやりなよ」

「・・・ちょっと・・・

トイレ行ってからでいい?」

あたしは逃げるように教室を出て

トイレに駆け込んだ。

すると

窓際に君が立っていた。

君と目が合った瞬間

涙が溢れた。

「ごめっ・・・

あたし・・・

知ってたの・・・!」

君は首をかしげて

あのことか、と笑う。

「あたしもみんなと一緒で

あの子の人形なの・・・!

鏡を見ると

自分が怖いって思う・・・

目が

いじめられてる君を笑うの!


ねぇ、あたし・・・

わかんないよっ・・・」


君はゆっくりあたしに近づいた。

殴られる

そう思って目を閉じた。

君はあたしを

通り過ぎただけだった。
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