キミの歌、アタシの物語。
「私は味方なんていらないし

助けてもらおうなんて

思ってないよ。

それに君

人形じゃないじゃん」

涙が溢れる目で

ぐちゃぐちゃの顔で

あたしは君を見た。

「ちゃんと、感情あるし」

君は

トイレから出て行った。

そうだ

あたしは人形じゃなかったんだ。

このまま楽になるために

いっそ

”人形”になってしまおう。



あたしはあの子の人形。

ううん、そうじゃない。

今までのあたしは

矛盾なことを思ってた。

人形として生活してても

人形みたいな感情を持ってて。

君を助けたいと思ってた。

でもあたしは

あの子からはきっと逃げれない。

だって人形だから

切れない糸で操られてるんだ。

逃げることは出来ない。

隠れても無駄。

だったら

”人間”のあたしを壊して。

あの子の人形として

生きさせて。
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