キミの歌、アタシの物語。
片想いしているサラリーマンが

バツイチの想い人を追いかける。

そんな話。



歌をつくるのは簡単だった。

この歌を

視聴者、そして祥乃に届けて

祥乃を諦めようと思った。

不思議とそう思えた。



このときすでに

祥乃への未練はなかったのかもしれない。



「紅ちゃん!どうしたの?!」

子育てで活動休止している祥乃の家を

俺は訪ねた。

歌が完成したから

それを祥乃に伝えようと思った。

俺の名前を呼んで驚く祥乃。

想いを伝えとけばよかった

なんて後悔したりした。



「ドラマの主題歌のオファーがきて

歌が出来たんだ」

「そうなんだ!聞きたい!!」

祥乃は俺を部屋にいれて

紅茶を出してくれた。



俺の名前は紅だから

いつも紅茶をいれてくれる。

ホントに変な奴。
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