100億光年先の君
どうしてあたしだけ……こんなに苦いの……?
彼が走り回っている小型犬を指差して、笑いながら何か言う。
どうでも良かった。
なんだかここにきてあたしの気分はすごく意地悪になっている。
この場所を一緒に歩いて、
あたしは君にすべてをあげたい、
なんでもしてあげたいって思ったんだ。
たった1回、季節が巡る間に変わってしまう気持ち。
何も変わらないこの場所で、あたしの何かがバクハツしそう。
ねぇ約束できる?
来年もって言える?
知らないことなんかほとんどなくって、
見飽きた顔で、
きっとなんでも予想できるでしょ?
それでも、
それでも絶対、
明日も明後日も来年も、
あたしに恋してくれるって言えるの?
「どした?」
足が止まったあたしの顔を覗き込んだ。
あぁ、だめだ。
なんでこんなに苦しいのかって、そんなの、わかりきってる。
(あたしばっかり)
「だいすき…………。」
あまりに変わらないから。
変わらないものなんてないはずなのに。
どんどん、どんどん、好きになって。
苦しいんだ、わかってる。
どうしようもないんだ。