100億光年先の君


「いつでも泣いていいよ」

「え?」


だけど、と彼は言葉を切った。


「自分だけなんて、思うな」


びっくりした。
どうして、そんなこと。あたしが泣いている間中心で叫んだこと。
彼は立ち上がって、あたしに手を伸ばす。


「俺だってちゃんと……すきだから」




あぁ、君と空のワンシーン。


空は途方もなく遠くて…広くて…眩しくて、
まっすぐに飛んでゆけないあたしを見ててくれる。

今、少しだけでも届いたのかな?

涙は止まる。
でも絶え間なく溢れ出すこの気持ち。
心がいくつあっても足りない。


光になって、迷いなく。

君しか見えない。


いつか君が……あたしの側にいなくなっても、

どこまでもどこまでも飛んでゆく。

何億光年かかっても、何も変わらないまま。






あぁ、今日という日は、なんて……青空が、眩しいんだろう……。






END

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