あのね。
 
なんて他愛もない会話をしてると、空席だった隣の席にいかにもギャル男です的な二人組が座った。
平和主義なあたしにとって、そういうひとが近くにいると、怖くて怖くてたまらなかった。
「奈々、隣、怖くない?」
「怖い怖い・・・。さっきからこっちちらちら見てるよ。」
あたしはなにげなーくチラッと隣を見た。
確かに、ちらちら見てる。
「怖いよ。別の店いかない?」
「いいよ。早く移動しよっ!!!」
「今日は奈々がおごるから!!」
「あんがとー☆」
あたしは、最後に食べようと思ってたイチゴを急いで食べると、先に行った奈々を追いかけようとした。
そのとき。

「もうかえんの?」
どっかから聞き覚えのない声が聞こえた。
あたしは、自分のことだと思わなく、バッグを持った。
「ねぇねぇ、シカト?」
よく聞いてみると、話してるのは隣のギャル男さんたちだった。
しかも、あたしに向かって話してる。
「その制服って、A高校だよね?」
「あ、あのぉ・・・。」
気楽に話してくるギャル男さんに対して、どう接していいのかわからないあたし。
入り口で奈々があたしのことを呼んだ。

「へー。はるちゃんっていうんだぁ。かーわいい。」
どうしていいのかわかんないあたしに、積極的なギャル男。
しばらくあたしが硬直してると、奈々がこっちに向かってきた。
「何、何、はるどうしたの?」
「あ、ごめん。べつになにもしてなっ・・・。」
何もしてないって言いかけた時に、一人のギャル男が、会話に入ってきた。
「ナンパしてたの。」
平然という男に対して、怒る奈々。
でも、そんなの気にしないで、男は言った。
「ねぇねぇ、はるちゃん。」
「な、なんですか?」
「おれ、はるちゃんに惚れた。付き合ってください。」
そう言って、男はあたしに向かって頭を下げた。
男は確かに言った。
「好き」って。
あたしに向かって。
あたしに、むかって。

「えっ・・・?」
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