あのね。
「あ、だから、付き合ってもらえますか?」
違う。
あたしが聞きたいのはそんなことじゃない。
頭を下げたときのギャル男の姿。
あの人に似てた、ものすごく。
あたしが大好きだったあの人に・・・。

「はる・・・?」
その奈々の声で我に返ったあたしは、何もなかったふりをして、店を出ようとした。
「はるちゃんっ!!!」
店じゅうに響き渡るギャル男の声。
「な、なんですか?」
「俺、待ってるから。」
そういうと、何もなかったかのように、運ばれてきたジュースを一気した。

店から出ても、あの時の姿が頭から離れなかった。
なんで・・・今頃あの人のことを思い出すの?
自分に自問自答を繰り返しながら、ずっと彼のことを考えてたんだ。

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