あのね。
ひとめぼれ
俺の名前は、川上泰斗。
高校2年。
っていっても、さぼってるから高2っていう実感があまりない。
彼女の名前は芝原莉奈。
元彼と別れた後、すぐに告ってきた。
好きじゃない、って断ろうとしたら、「次の彼女できるまででいいから。」って言われたから付き合うことにした。
莉奈は、顔は大人っぽくて好きだけど、束縛っぽい性格は大嫌いだ。
俺に束縛したらきれるから、と言っておき束縛させないようにしたが、結構すごい。
莉奈的には軽い束縛って言ってるけど。
まあ、フリーより彼女持ちのほうが絶対いいし。

今日も、っていうか今も莉奈と一緒にいる。
さぼり仲間の近藤雄介にも彼女がいるから、一緒に遊べないときはたいてい莉奈といる。
いて楽しいわけじゃないが、会わなかったらキレるから。
「ねぇ、莉奈泰斗のことぉだぁいすき。」
これもいつもの口癖。
莉奈は、大好きとか愛してるとかを上目づかいで言ってくるから。
可愛くないわけじゃないけど、可愛いとも思わない。
そして、自分からキスしてくる。
んで、もっとって求めてくる。
でも、そこが一番大変。
こいつとヤってもいいことなんて無い。
あー、誰かたすけてくんねーかな。
なんて思ってたら、雄介から電話が来た。
キスしてた莉奈を離して電話に出た。

「もしもし?雄介ー?」
「おー。今莉奈ちゃんといんのか?」
「あぁ。」
正直言って、莉奈とは一緒にいたくないから、疲れ声で言った。
「お前相当疲れてるな。これからどっかいかねー?」
「いいぜ。じゃ、今から駅前にいくわ。」
プチっ。
雄介の返事を聞く前に電話を切って、抱きついてくる莉奈を離した。
「ねぇ・・・。もう行くの?まだ一緒に居たい・・・。」
「これから雄介と遊ぶんだよ。ごめん。」
「やだっ。なんで雄介くんなの?彼女の莉奈を優先するんじゃないの??ねぇっ?」
こういうのがウザかった。
あっちから告白されて、断っても、いいからって付き合った。
束縛しない、って約束したのにもかかわらず束縛されて。
もう限界だった。
「そういうのがうぜーんだよっ。」
そういうと、バッグを持って部屋を出た。
部屋からは泣いてる莉奈の声が聞こえた。
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