あのね。
チリンチリン♪
鈴がそう奏でて俺たちは奥の席に案内された。
ジュースを注文すると、雄介のくだらない話を聞きながら、不意に隣を見た。
やべぇ。
隣にいた女の子は、俺の超好みでまじで一目ぼれしてしまった。
長い髪。
きれいな足。
つややかな唇。
全部全部好きになった。
「雄介。隣の子可愛くない?」
俺はあまり可愛いとかいうことがないから俺が言ったことに対して驚く雄介。
そしてニヤニヤ笑いながら「一目ぼれか。」といって俺の肩をたたいた。
「うるせーよ。」
照れながらそういう俺に雄介は、
「てか、さっきからこっちちらちらみてるよー?」
その雄介の言葉に反応し、俺はチラッと横を見た。
確かに見てる。
何かうれしい・・・。
でも、一緒にいた友だちが立ち上がり、「あたしおごる!」とか何とか言って、帰る準備をはじめた。
「このままでいいのか?」
雄介の言葉が頭の中から離れない。
おごるって言ったほうがレジに向かうと、その子はイチゴを小動物みたいに食べて帰る準備を始めた。
何か話しかけよう。
そう心に決めた俺は、勇気を出して声を出した。
「もう帰んの?」
だが、自分に話しかけられていると気づかず、バッグを持った。
もう帰っちゃう。
「ねぇねぇ、シカト?」
なんでこんな言い方しかできないんだろう・・・。
そう思いながらその子をみると自分のことかもしれない・
「その制服、A高校だよね?」
さすがに自分のことって気付いたその子は、どうしていいかわかんない表情だった。
そんな表情でも、超可愛い。
こんな自分が超好きになれるような人は生まれて初めてだった。
「あのぉ・・・。」
そういい入り口のほうを見た。
「はるー?まだー?」

はる・・・。
その言葉が頭から離れない。
それほど・・・好きなんだ。
俺が真剣な恋愛なんてらしくねーけど。
テンパってて何も言えない俺。
不意に出た言葉。
「はるちゃんって言うんだ。かーわいいっ。」
ってこんなの雄介と変わんねーじゃねーか。
超あせってるはるちゃんはものすごく可愛くて。
愛おしかった。
すると、入り口にいたはるちゃんの友だちがこっちにきた。
「何、何どうしたの?」
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