THE BEST REVENGE
不審に思った警備員たちが
その背後に近寄るが、
彼はそれに対して
気にも止めないで、

「ねぇねぇ、君さぁ?」

持ったカードをピラピラ振りながら
カウンターに座る
マヤの眼前にそれを突き出した。

「コイツ、ちょっと見てくんないかな?」
「——はい」
「あ、なるべく手早くね」

女子行員に念を押すように
軽く一言付け加えてだ。

「あ、はい」
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