THE BEST REVENGE
「状況は!」

牟魯田は灘の様子に
構うことなく状況を伺った。

「あ………」

灘は慌てて側にいた警官に
耳打ちし一発パシンと
頭を叩くと捜査状況の書かれたメモを
取り上げてそれを
うろ覚えしてから牟魯田に告げた。

「発砲があった模様ですが、うかつに近寄れずにこの有様で……まぁ、あの非常用のシャッターのおかげで中の様子もクソも何もあったもんじゃ──」

などと牟魯田に恭しく
宣っていたその時だった。

ドンッ! 

重い銃音が辺りに響いた。
きっと人が殺された──そんな音だった。

「野郎!」
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