THE BEST REVENGE
そのころ奏梧も
ようやく職場内での担当が決まった。
研修を終えて着任したのは
なんと福祉課だった。
仕事にも速く慣れたほうだった。
福祉関係のお役所仕事なので
当然かつて自分が居た、
水彩の園にもいくらかは
関わらなくてはいけない。
ケチなトラウマで
仕事が滞ることはなかった。
ノスタルジックに思うのなら、
いつか聴いたあのメロディが
また聞こえたとしても、
どうせ空しく思うだけだろう、と
思い始めた矢先のことだった。
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