THE BEST REVENGE
——燃えカスだらけの、
オーディエンスには、
ただただ後悔しか残らないな。

彼はそう思うのを最後に
ズボンのポケットから小銭を取り出す。
葬儀代にもなりはしない、
一杯のコーヒー代金380円を払い、
退屈の園を後にした。

思い出はみんなココから消えた。
愛するものを失っていくのは、
何度だってつらいものだ。

最愛のものを失った時は、
きっと僕は、
怒りと悲しみだけのものとなる、

また虹のような笑顔を出せるほど、
優しくない。
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