THE BEST REVENGE
「……なぜ?」

何度繰り返しとなえただろう。

すぐに立ち上がれる気にはなれなかった。
葬儀の日だってそうだ。
放心状態で何もする気になれない。
遠巻きに見つめ、
滂沱に浸ろうかさえ考えたが
切らした煙草に闇雲な思いをぶつけ、
殻となったパッケージを
その場にくしゃっと潰して放り捨てた。

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