THE BEST REVENGE
奏梧はいつも浮かべる安っぽい笑顔で
カウンターに向かった。
お役所勤務で培われた、
完璧な作り笑顔を浮かべていた。
カウンターのショーケースは
寒気のために白く曇り
これでは陳列された煙草の銘柄も
まともに伺えない。
もっともお決まりの銘柄しか
吸わない彼には
さほど気になる事じゃないが。

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