THE BEST REVENGE
口からふかしだされた煙は
たわわと消えていった。
いいだけの思いに充分ふけった後、
降り積もる雪を見て、彼は呟いた。

「もう泣くな…」

奏梧は煙草を持った手を
翼のように空に掲げると跪いて、
アスファルトに誓いのキスを捧げた。

キスには懺悔を込めた。

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