THE BEST REVENGE
軽く目を緩ませて
奏梧は部屋を後にしようとしたときだ。
「これは香典として謹んで頂きます」
せめてそれくらいの
皮肉でも言わなくては、
心許ない感じがした。
それで安らげるものだったらいいのに、
それだけですまない物足りなさを、
存分に感じていた。

そして彼はさらに先へと急いだ。

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