初恋☆夜空
サオリは、黙って聞いてくれてる。

「まぁさ、そのうち、忘れるって!私‥覚え悪いしさ‥」

なるべく、明るく言ったつもりなんだけど…。

「バカ花‥」

サオリはそう言って、私をギュッて、抱きしめてきた。

「そんな訳、ないじゃん‥!」

…私よりも、サオリの方が、何だか、辛そうだった。



帰り道、私は、サオリの言葉を思い出してた。

「銭湯のお客なら、きっと、また会えるよ!‥通いつめて、会えたら名前とか、‥ケー番とかメルアドとか…~何でもいいから、ゲットしな!」

「…」

そんなに、うまくいくかなぁ‥。

…上手く会えたとしても、そこまで聞けるかが疑問かな‥。だって、自分の勇気に、自信がないから‥。

こんな時、みんなはどうしてるのかな‥?結構、聞けるものなのかな‥?サオリに、聞けば良かったよ…。

「はぁ‥」

また、ため息がでる。

考えても考えても、答えが出ない。‥とにかく、今日は一日、ため息ばっかりだった気がする。

…そっか、、、
私、恋してるかもなんだ‥。

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