初恋☆夜空
次の日。

寝坊して、朝から全力疾走だった。

“あの人”の事を考えてたら、のぼせてフラフラになるまで湯舟に浸かってたうえ、ドラマの始まる時間も忘れてた。

…っていっても、思い出した時はとっくに終わってたし、何だか、見る気もなくなってた。

ベットに入ってからも、全然寝付けなかった。

私、どうしちゃったんだろう…?

「はぁ‥」

今日、何度目のため息だろ?

何で、こんなに胸が紐で縛られたみたいに苦しいんだろ‥。

「恋、してますな?」

(わあっ!?)

後ろから耳元でささやかれて、危うく声を出しちゃうところだった。
‥一応、授業中だったんだよね。

「いきなり、何?」

後ろの席であり、仲良しでもある、クラスメートのサオリに、ヒソヒソと聞いた。

サオリは、ニヤニヤとした‥何時にない表情をしている。

「それはコッチのセリフでしょ!?」

「はぁ?」

「あんたも、遂に目覚めたってことね!」

「だから、何の事?」

サオリの目がまるくなった。が、フフン、と鼻をならした。

「甘い甘い♪ごまかされないからね!‥ズバリ、恋でしょ?」

「‥恋?」

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